はじめに
ビットコインや他の暗号資産の価格は、急な下落に悩まされることがあります。前回の記事では弱気のダイバージェンスというサインが現れることに触れました。
価格が上がっているにもかかわらず、オシレーター(RSIやMACDなど)が下がっている状態ということを簡単に説明させていただきました。
今回は、この弱気のダイバージェンスが発生した後、価格がどこまで下がるのかを予測するために、「値幅」という考え方を使います。値幅とは、価格がどれくらい動いたかを示すもので、過去の動きを参考にして予測を立てます。
弱気のダイバージェンスと値幅の関係
弱気のダイバージェンスが発生すると、価格の反転が予測されますが、その反転幅を予測するには、直近の値幅を参考にする方法が非常に有効です。ここでは、価格の変動幅を基に、弱気のダイバージェンス後の到達点を予測するシンプルなアプローチを紹介します。
逆行弱気のダイバージェンスの値幅予測
- 弱気のダイバージェンスの確認
まず、価格が上がっているにもかかわらず、オシレーター(RSIやMACDなど)が下がっている場合、これが「逆行弱気のダイバージェンス」です。この状態になると、価格が反転して下がる可能性が高くなります。 - 値幅の計測
次に、ダイバージェンスが発生する前の直近の高値と安値を確認します。例えば、ビットコインの価格が16,000,000円から15,000,000円に下がった場合、その幅は1,000,000円です。この値幅を使って、反転後の価格の動きを予測します。 - 到達点の予測
弱気のダイバージェンス発生後、価格が反転する場合、その反転幅を直近の値幅と同じだと仮定します。上記の例であれば、反転後に1,000,000円程度の幅を目指して動く可能性があります。つまり、価格が16,000,000円から反転して1,000,000円下がる可能性が高いということです。
言葉だけでは分かりにくいのでこちらをご覧ください。
このようにチャート上で見ると一目瞭然です。
実際の値幅を活用する方法
値幅を使った予測はシンプルですが、実際にトレードに活用するには、少し工夫が必要です。以下のステップで進めていきます。
- ステップ1:弱気のダイバージェンスを確認する
まず、価格とオシレーターの動きが逆行していることを確認します。これが弱気のダイバージェンスです。 - ステップ2:直近の高値と安値を計測
ダイバージェンスが発生する前の高値と安値を確認し、その値幅を計測します。これを反転後の予測に活用します。 - ステップ3:値幅を反転後に適用
ダイバージェンス発生後、価格が反転する場合、その反転幅を直近の値幅と同じだと仮定して予測します。例えば、1,000,000円の幅があれば、反転後にその分だけ価格が下がると予測できます。
値幅予測が機能する理由
なぜ値幅を使った予測が有効なのか、その理由を簡単に説明します。
- 利確による売り圧力
例えば、ビットコインが16,000,000円から上昇して17,000,000円に達した後、価格が再び下がる時、17,000,000円付近でロングポジションを持っていたトレーダーたちが利確を始めると、売り圧力が強くなります。このようにして、価格は反転して下がるのです。 - 価格帯での反応
市場では、価格が過去に大きく動いた場所(例えば16,000,000円や17,000,000円の価格帯)で反応が出やすいです。このため、過去の値幅を使って予測することができます。市場参加者が意識している価格帯で、再度同じように動くことがよくあるからです。 - 心理的な要因
トレーダーは、過去の高値や安値を意識して売買することが多いです。このため、同じような値幅で価格が動くことが多く、予測がしやすくなります。
実際のトレードへの応用
値幅を活用した弱気のダイバージェンス予測を実際のトレードで活用する際は、以下のような流れで進めます。
- 弱気のダイバージェンスを確認
価格とオシレーターが逆行していることを確認します。 - 値幅の計測
ダイバージェンスが発生する前の高値と安値を確認し、その値幅を計測します。 - 反転後の値幅予測
計測した値幅を基に、反転後の価格の動き(上昇または下降)を予測します。 - エントリーポイントの設定
予測した値幅に達する前にエントリーを行い、目標価格に達した時点で利益を確定します。
まとめ
- 弱気のダイバージェンスが発生すると、価格の反転が予測される。
- 過去の値幅を参考にして、反転後の到達点を予測する。
- 利確による売り圧力や価格帯での反応が、値幅予測が機能する理由。
毎回値幅を計算するのは少し手間がかかりますが、次回はその値幅を簡単に計算する方法をお伝えします。お楽しみに!
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