前回の復習:値幅の重要性
前回の記事では、値幅を基に価格の到達点を予測する方法について解説しました。弱気のダイバージェンスが発生すると、価格は下落しやすくなりますが、その下落のターゲットを知ることができれば、トレードの計画が立てやすくなります。
しかし、毎回手計算で値幅を測るのは面倒…。そこで登場するのが「フィボナッチエクステンション」です!
フィボナッチエクステンションとは?
フィボナッチエクステンションは、未来の価格ターゲットを予測するためのツールです。フィボナッチ数列に基づいており、特定のレベルが市場で意識されやすい特徴があります。 簡単に言うと、「価格がどこまで伸びる(または下がる)か」を計算してくれる便利なツールです。 TradingViewを使えば、初心者でも簡単にフィボナッチエクステンションを引くことができます。
TradingViewでのフィボナッチエクステンションの引き方
フィボナッチエクステンションをTradingViewで引く手順は以下の通りです。
ツールの選択
- TradingViewの左側のツールバーから「フィボナッチエクステンション」を選択します。
3点を指定する
- 1つ目のポイント:弱気のダイバージェンスの波の高値1(最初の高値)
- 2つ目のポイント:押し目(安値)
- 3つ目のポイント:弱気のダイバージェンスの波の高値2(2つ目の高値)
エクステンションの適用
- 3点を選択すると、フィボナッチエクステンションが自動で表示され、各レベル
がチャート上に描画されます。
フィボナッチエクステンションをダブルクリックすることで設定が出ます。ラインを右に延長すると見やすくなります。
エクステンションの主要なターゲット
フィボナッチエクステンションには、いくつかの重要なレベルがあります。
- 1.0(直近の値幅と同じ)
- 1.618(半分以上伸びる)
- 2.0(フルで伸びる)
- 2.618(さらに拡張される)
画像では説明のため、エクステンションの背景を消してすべて白線表示にしております。また、2.0が初期設定にないので、2.0を新たに設定しています。
ラベルの位置を右に寄せてフォントサイズを大きくすると見やすいです。
なぜこの4つのレベルが重要なのか?
これらのフィボナッチエクステンションのレベルは、多くのトレーダーによって意識されるため、相場が反応しやすいポイントになります。
- 1.0 … 直近の値幅と同じ長さの動きが起こりやすい。
- 1.618 … フィボナッチ数列の黄金比で、多くのトレーダーが意識。
- 2.0 … 価格の倍幅を目指す動きが見られることがある。
- 2.618 … 強いトレンド相場でターゲットとして使われる。
※0.618もとても重要ですが、そちらは次回の記事で詳しく説明します。
不成立の条件
フィボナッチエクステンションを使った値幅予測が不成立となるケースもあります。
- 2つ目の高値(高値2)を超えてさらに高値を更新した場合は、不成立と判断
- この場合、下落が強くならず、レンジ相場や上昇に転じる可能性が高い
実際のトレードでの活用方法
フィボナッチエクステンションを活用することで、利確や損切り
の戦略を立てやすくなります。
- 利確の目安
- 1.0のレベルで部分利確することで、リスクを軽減。
- 強いトレンドの場合は1.618や2.0まで狙う戦略も。
- 損切りの考え方
- 高値2を上抜けた場合は不成立と考え、損切りを設定。
- エクステンションの0.618や1.0のラインを割ったら手仕舞いするルールを作る。
- 1.618まで届かずに戻る場合の対応
- 価格が1.0までは伸びたが、1.618に届かずに反転することも。
- その場合、トレンドの勢いが弱まったと判断し、部分的に利益確定を検討。
実際のチャート例
過去のビットコインのチャートを使って、フィボナッチエクステンションがどのように機能するかを確認してみましょう。
このように、予測したターゲットが意識され、実際の価格がエクステンションのレベルに到達することがよくあります。
まとめ
- フィボナッチエクステンションを使えば、手計算なしでターゲット価格を予測できる
- エクステンションの1.0 / 1.618 / 2.0 / 2.618が値幅予測に役立つ
- これらのレベルは、多くのトレーダーが意識しているため有効
- 高値をさらに切り上げたら「不成立」なので注意
- 利確・損切り戦略としても有効活用できる
次回は、「フィボナッチエクステンションとピボットを組み合わせて精度を上げる方法」を解説します!
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