2025年2月13日、オリコ、アイキタス、Slashの3社が、USDCを活用した日本初のBNPLサービス「Slash Card」の発行に向けて提携合意したことが発表されました。この革新的なサービスは、暗号資産と従来の決済システムを融合させる試みとして注目を集めています。
USDCとは
USDCは、米国のフィンテック企業Circleが運営・発行するステーブルコインです。主な特徴は以下の通りです:
- 米ドルと1:1で価値が連動
- 法定通貨(米ドル)による裏付け
- 高い透明性と定期的な監査
- イーサリアムのERC-20規格をベースに開発
USDCは、その安定性と信頼性から、暗号資産取引の決済手段や価値保存の手段として広く利用されています。
Slash Cardの概要と特徴
Slash Cardは、USDCを担保とした決済カードです。主な特徴として以下が挙げられます:
- VISA加盟店での利用が可能
- 専用ウォレットへのUSDCチャージで与信枠が付与
- 決済後、利用額が自動的にウォレットから引き落とし
- プラスチックカードとバーチャルカードの2種類を予定
このサービスにより、暗号資産保有者は日常的な買い物にUSDCを直接活用できるようになる可能性があります。
サービス開始時期と目標
オリコは2025年6月末までの発行を目標としており、1年で30万人の会員獲得を目指しています。ただし、具体的なサービス内容や開始時期については、今後の発表を待つ必要があります。
サービスの仕組みと利用方法
専用ウォレットとチャージの仕組み
Slash Cardを利用するには、専用のデジタルウォレットが必要となります。このウォレットにUSDCをチャージすることで、同額の与信枠が付与される仕組みです。チャージ方法の詳細はまだ明らかになっていませんが、一般的な暗号資産取引所やウォレットサービスとの連携が予想されます。
決済の流れ
Slash Cardでの決済は、以下のような流れになると予想されます:
- VISA加盟店で商品やサービスを購入
- Slash Cardを提示して決済
- 利用額が専用ウォレットから自動的に引き落とし
この自動引き落としシステムにより、利用者は残高管理を意識することなく、スムーズに暗号資産を使用できる可能性があります。
Slash Cardのメリットと期待される効果
暗号資産の実用性向上
Slash Cardは、USDCと現実世界の決済をシームレスにつなぐ架け橋となる可能性があります。USDCをVISA加盟店で直接使用できるため、ステーブルコインの流動性と実用性が向上し、デジタル通貨の普及促進につながるかもしれません。
特典と還元プログラムの可能性
オリコは、Slash Cardの利用者に対してUSDCでの還元を検討しているとのことです。これにより、カード利用者は日常の支出を通じてUSDC資産を増やせる可能性があります。ただし、具体的な特典内容はまだ発表されていません。
今後の展望と課題
Slash Cardの構想は、暗号資産市場と従来の決済システムの融合を示す重要な一歩となる可能性があります。しかし、実現に向けては以下のような課題が考えられます:
- 規制対応(資金決済法や犯罪収益移転防止法など)
- セキュリティ確保(ウォレットの安全性、不正利用対策)
- 一般ユーザーへの普及促進(USDCやステーブルコインの認知度向上)
- 他の金融機関との競争(類似サービスの登場への対応)
これらの課題を克服し、サービスが成功すれば、NFT市場での決済など新たなビジネス展開も期待できるかもしれません。
まとめ
Slash Cardの構想は、USDCという信頼性の高いステーブルコインを活用し、暗号資産と従来の金融システムの融合を目指す画期的な取り組みです。USDCの実用性向上や暗号資産の普及に貢献する可能性がある一方で、規制対応やセキュリティ確保など、克服すべき課題も存在します。今後の開発進捗や具体的なサービス内容の発表に注目が集まるでしょう。Slash Cardの行方は、日本の金融イノベーションの方向性を占う一つの指標となるかもしれません。
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